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曲がり煎餅【まがりせんべい】

まがりせんべいフィギアスケート女子は、期待の浅田真央が自己ベストの得点ながらそれを上回る完璧な演技を見せたキム・ヨナに次ぐ銀メダル。

インタビューで悔しさからか涙に暮れていたが、わずか19歳の少女に我々はとんでもなく重い重圧を背負わせていたことを改めて思い知った。いまはただ彼女の健闘をたたえるのみだ。

ミスが無かったとは言えキム・ヨナの得点があまりに高いため少々不自然に感じる者もいたようだが、我々素人には判断できないし、ノーミスでなおかつ「高得点を狙う」戦略の結果だとも思う。とにかくこの最高の舞台でのプレッシャーと戦い、メダルを獲得した選手に賞賛を惜しまないはずも無い。金でなかったのは残念だがこれも時の運。前回のトリノでの荒川静香のびっくり金メダルも感動的だったが、今回の浅田選手の銀メダルもまたすばらしいものだった。他のスピードスケート陣、男子フィギアの高橋大輔選手のメダルと共に凱旋帰国が待ち遠しい。

ところで、どうやら「今回は金メダルは無し」の雲行きが濃くなったが、今回のメダル、↑の画像のように私には「曲がり煎餅」のように見えて仕方ない(^^;)ユニークな形なのだが、日本人にはなんとなく素朴な餅菓子に見えてしまうのだ。

金は薫り高き「しょうゆ」銀メダルは「塩味」銅は唐辛子入り「ピリ辛醤油」あたりか?私は煎餅は塩か唐辛子激辛が好みなので、今回の日本勢の獲得煎餅は非常に満足しているのである(爆)<なんじゃそれ

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ドラ一族【どらいちぞく】

ドラ息子ドラ息子とはよく言われる言葉であり、実績・功績の大きい親に対して出来の悪い息子は大抵こう呼ばれる。わが国の首相とて国会の党首討論だったかで「ドラ息子!」との野次を受け失笑を買っていた。しかし、父親の鳩山威一郎は首相になっておらず、出世だけを見れば、親以上の役職についているわけだから「ドラ息子」とは言われ過ぎの様な気がする。

とは言え、母親からこっそり資金を渡されていてそれに気づかず(?)のほほんと政治家をやって時代の流れになんとなく乗って首相になっただけの「ボンボン首相」だけに、とても「優秀な息子」とは言いがたい(^^;)個人的にはこのお母上には、そんな「妙な使い道」に使うほど金が余っているなら、実家のブリヂストンに還元するなりして、今季いっぱいで撤退を表明しているF1のタイヤ供給に協力し、できれば参戦継続するように説得してほしいものである(^^;)・・・問題の母上、鳩山安子は国産タイヤメーカー、ブリヂストンの創業者石橋正二郎の長女。いわば鳩山首相はブリヂストンの孫とも言えるのだ(^^;)

鳩山家で言えば祖父の鳩山一郎が首相経験者で、その功績に関して比較対照となるわけだから、ここは一発、名誉挽回し、健全な政治の流れを作った上、ご本人は「政治資金の不正な処理」の責任を取ってさっさと辞職願いたいと思うところだ(^^;)・・・出来れば小沢幹事長も道連れにして(爆)

予算審議に入っているにもかかわらず、自民党は審議拒否の構えらしいが、「貧すれば鈍ずる」・・・それが国民の望んでることですか?政治と金なら自民党だって清廉潔白とはいえないはずだ。むしろ参議院選挙の前には引き摺り下ろさない方が自民党としては戦いやすいと思うのだが?(爆)そのあたりの「国民の真の要望」がさっぱりわかっていないだけでなく、相変わらず党利党略前提でしかない対決姿勢にうんざりされているのがまだわからないのか。

鳩山・小沢共に「自民党の古い体質」を保持している政治家なのだから、そこを突けば突くほど国民はその裏側にいる自民党とその「変わらない体質」を思わざるを得ないのである。攻撃してるのと同時に自爆してるようなものだ(^^;)だったらせめてイスラム原理主義の過激派<自爆テロ>並みに、「しっかり周囲を道連れにして」旧体質の政治を葬っていただきたいのだが・・・どうもそこまでの覇気は無いらしい(^^;)

とにかく、この国の「首相運」はどうもこのところ最悪だ。政治一家の2世3世が首相になっているのが悪いのかと思い、ちょっとまとめてみた。

鳩山由紀夫(子)・・・鳩山威一郎(父)・・・鳩山一郎(祖父)
祖父の一郎氏は戦前の政友会時代、民政党総裁で時の首相浜口雄幸に対しての政争行為が軍国主義を助長したと判断され、戦後GHQから公職追放処分を受けせっかく作った日本自由党総裁を降りる。追放解除後かつての僚友吉田茂に対抗する形で民主党を結成(つまり自民党の基は全部この人が作った(^^;))アメリカべったりの吉田に対し、ソ連(現ロシア)寄りの立場を見せ、サンフランシスコ講和条約で平和条約を結んでいないソ連との関係改善を求め、日米安保よりも真の独立国としての「再軍備」「非同盟中立」を模索した人物。
実現していたら今の日本とはずいぶん違う状況になっていただろう。保守合同以降は吉田人脈が多く首相を務め、前民主党系の鳩山人脈は岸信介くらいで、その後の三木武夫まで日の目を見ていない。吉田の興した「保守本流」に比べると「保守傍流」と言ったところか。大蔵省から自民党入り、体調に恵まれず地味に終わった父威一郎に比べて、孫はずいぶんぶっ飛んだ左翼系になっているが(^^;)とりあえず首相にはなったものの祖父ほどの辣腕ぶりは期待できなさそうだ(^^;)弟の鳩山邦夫に至っては「勝ち馬に乗りたいだけ」の便乗おじさんぶりが目立ちすぎて、また見た目が小沢一郎とかぶるせいか(爆)人気はイマイチ。今や敵味方に分かれても兄と同じ「資金源」の存在にいよいよ立場が無くなった「ドラ息子2」状態(^^;)二人合わせて一郎氏から見て「ドラ孫ブラザーズ」とは情けないことおびただしい(爆)


麻生ドラ太郎麻生太郎(子)・・・麻生太賀吉(父)・・・吉田茂(祖父:麻生太賀吉の義父)
GHQと渡り合って戦後日本を牽引し、アメリカ中心の講和条約と共に日米同盟を完成した。良くも悪くも戦後日本の立役者「吉田茂」、その娘を嫁に迎え吉田の資金源となった麻生鉱業グループ総帥(本人も衆議院議員経験あり)の麻生太賀吉。黒子に徹する意味では渋いといえるが、麻生鉱業における「人権無視の劣悪な労働環境で巨万の富を得た」男を父に持つ麻生太郎が、小泉改革で生まれた格差やワーキング・プアにさしたる理解が無かったのも当然かもしれない。吉田茂の評価は分かれるだろうが、その後は(少なくとも政治的には)確実に「ドラ子孫」と言えるかも(^^;)


福田ドラ康夫福田康夫(子)・・・福田赳夫(父:大蔵省出身)・・・福田善治(祖父:群馬県金古町町長)
こちらはダッカ日航機ハイジャック事件でテロに屈したダメ首相に、何もしないまま政権を放り出したダメ首相なので、ドラ親子というべきか(^^;)もし擁護するとしたら、どちらも政権運営で強力に指導力を発揮したくても、そこまでの党内勢力を持っていなかったと言う点だろう。
父赳夫は後述の安倍親族「岸信介」人脈出身。この流れが重要になるのは後年、小渕首相の死去に便乗し首相の座を盗んだ森喜朗以降、非田中(反主流)派の血統、小泉〜安倍〜福田の3人が続く事で鮮明になった。結局国家を動かすリーダーとしては、福田赳夫はまだしも、(政策の評価は別にして)小泉以外は器ではなかったようだ(^^;)


安倍ドラ晋三安倍晋三(子)・・・安倍晋太郎(親)・・・岸信介(祖父:安倍晋太郎の義父)
吉田茂以降、今に続く日米安全保障条約の立役者とも言える。鳩山一郎の僚友で同じく公職追放(A級戦犯ながら対日政策変更で釈放)以降日米関係の橋渡し役となるが、同時にアメリカのエージェントとして日本を売ったとも言われる微妙な政治家「岸信介」。鳩山と違い対米重視路線を取ったため今も続く「基地問題」「自衛隊」の矛盾を固定化してしまった。
アメリカとの関係性の中で「日本の防衛や存続・繁栄を考えた岸信介なりの責任ある政治姿勢」が正しく評価されるのはもう少し先かもしれない。父の安倍晋太郎はトップに上り詰める前に力尽きたが、孫の晋三は小泉純一郎に密着していたため(^^;)容易に政権を禅譲された。ただ、その割には何もしなかったし出来なかった。その意味では鳩山由紀夫級のダメ首相(^^;)やめたときは相当体調が悪かったようだが、首相の重責に耐えられない「坊ちゃん」であったと言う点で岸信介から見ればどう見てもドラ孫である(爆)


まったく。よくもまぁこれだけドラばっかり並べられたものだ(爆)

次の首相は「ドラじゃない人」きぼんぬ(^^;)



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小夏日和【こなつびより】

春霞鼻がむずむず。部屋の中が薄ら寒い。と思っていつもどおりの姿で外出したら・・・汗だくになっていた(^^;)帰ってネットの天気予報で気温を見たら「奈良:最高気温22℃」(爆)

完璧春から初夏へ向かう時期の気温で防寒着を着ていては暑いはずだ(^^;)

ここまで暑いと小春日和どころではない。小夏日和だ。
画像の生駒山も靄がかかってまるで「春霞」、晴れるでなく曇るでない天気も「花曇り」の風情だ。でも木々は常緑樹を除いてまだ褐色の枝がむき出しのままだ。もうすぐ3月。日も長くなりようやく春が実感できるようになってきた。


後は花々が咲き誇るのを待つだけだがそれも後1ヶ月ほど。年が明けてそれなりに多忙な日々だったが、もう2ヶ月経とうとしている。ますます自分の持っている時間の少なさを実感してきているが、やはり人間の・・・ましてや私のようなグータラな人間のやること。あまり誇大な期待や目標を掲げない方がよさそうだ(^^;)

暑い暑い一日の反対に「寒い自分」を実感してしまった、早春の宵である。

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表現【ひょうげん】

前回のエントリの映画やアニメなど、最近の映像作品には高度・高額な(予算を必要とする)エフェクトをふんだんに用いたものも多いが、下の動画などはアイデアの秀逸さが光っている。ちょっと見た感じはCGで光を加えたように見えるが、日の出の短い時間の光の変化を異なる時間のコマにマスク合成しただけのもの。手間はそれなりにかかっているがCGを見慣れた目にも新鮮な視覚効果が実は古典的な合成技術で出来ているのが見事。光のあたっている部分に「走っているはずの乗用車やバス、あるいは歩いている人」が消えていたりするから、CGではなく違う時間の映像との合成であることが良くわかる。

Lumitectura from barno on Vimeo.



アイデアで言えば、イギリスBBCのバンクーバーオリンピックのCMも芸術的な味わいだ。短い時間で競技種目のいくつかをモチーフに加え、ストーリーを作っている。



ヨーロッパのCMってなんともお洒落だねぇ。日本じゃ自分の国の選手映像しか出てこないもんなぁ(^^;)興味をあおるにしてもその質が根本的に違うのがよくわかる。ある意味「権威的」で、ややもすると「冷徹」ささえ感じる「ジェントルマンの国」だが、日本以上に「品性」「品格」を重んじてる点はやはり見習いたいものだ。

今の日本はとにかく「品位がなさ過ぎる」(^^;)
それを象徴するようなのが今回のスケートのウェアデザイン・・・。

ウェアデザイン

一部でも話題になったが、どう見ても下着が透けてるように見えてしまう。実際は素材が違うためにそう見えているだけらしいが、見た目の問題として国の英雄にもなりうる選手の姿に配慮はないのか。下手をすると選手そのものを貶めかねないデザインの悪さはどうにかならないかったのかと言いたい。

品位と言うかレベルの低さはJOC自体にも感じる。スケルトンなどで複数の選手が失格になったのは、競技管理団体の不始末であり、現場に帯同しているスタッフの不勉強・怠慢以外の何者でもない。このレベルであればこそ「コケ母」クンのような態度の悪い不良選手が混じってしまうのだろう。

服装がどうのこうの言われているが、そんな小さいことでなく、これまで評判の悪さは何度となく聞こえている。代表となる選手にJOCがちゃんと教育できていないのは問題だ。少なくともこれほど「感じの悪いスポーツ選手」は見たことがない。亀田兄弟以上だ(爆)スノボは天才かも知らないが、そんなにプレス嫌いなら、今後の選手活動は一切自費で参戦してもらいたい。

自分の競技するスポーツのイメージを貶め、応援するファンの目に入る映像で悪態をつくなど非常識もはなはだしい。日本国民の税金でスポーツ強化資金を得ている代表選手なら、プレスでの会見は重要な大会でのパフォーマンスと同じ意味を持つ。スポンサーの前で悪態をつくことと同義だし、いやしくも「プロ」であるならばインタビュー・会見を尊重しない態度は批判されて当然。自覚がないのはプロ失格なのだ。

評判の悪かったあの亀田兄弟や朝青龍でもちゃんと会見するときは真摯に応対していたし、プレスのカメラ・マイクの向こうにいるファンや民衆の姿を感じられない鈍さは「プロスポーツ選手として致命的に資質に欠けている」と言わざるを得ない。エアのパフォーマンスなどだけでなく、会見でのパフォーマンス・表現力もプロの能力のうちである。ゴルフの石川遼クンなどはあの年齢での完成度の高さは怖いくらいだが、彼こそプロの鑑。彼の倍以上生きている私でも尊敬の念を持ってしまう。これこそ「品格」。これぞ「プロ選手」である。

前の首相、麻生太郎も定例の「ぶら下がり会見」で記者連中に横柄な物言いをして顰蹙を買った。あれこそがマスコミや世論を敵に回した元凶とも思えるのだが、「コケ母」クンもおそらくこれに懲りることはないのだろう。せっかくの才能がもったいないが、それをドブに捨てるのもまた自分自身。

まぁ、私が彼に言及することももう無かろうが(^^;)

前の首相も今の首相も育ちはいいはずだが、麻生太郎は会見や物言いでの品格に欠けていた。国家の宰相・指導者としての資質に欠けていたのだろう。今の首相は物言いこそ丁寧だが、金銭感覚や政治能力はとても指導者の器ではなさそうだ。人の目に触れる者はその表現には細心の注意を払う必要があるのだろう。

お笑い芸人も「真摯」におふざけや馬鹿を演じるからこそ評価される。多くの人の目に触れるものは何であれ、真摯に表現されたものである必要があるのだ。

まぁ、それもこれもこんな1日のアクセスが3桁に満たないブログならともかく・・・の話である(爆)

くそ〜。出だしは高尚な話題だったのに、最後はただのボヤキになってしまった。私の表現力もまだまだ未熟と言うことで・・・どーも(^^;)

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Ground Crawler【ぐらうんど・くろーらー】

TSUTAYAの会員の更新を年初に行い、その時にもらった割引券を使わずに忘れていた。

そこで3本のDVDを借りてきた。そのうち2本はアニメがらみだ。大友克洋監督、実写版「蟲師」と押井守監督「スカイ・クロラ」である。

もう1本はこのブログでも以前エントリを上げた平成版「日本沈没」だったが、見直してみてさほど印象は変わらなかった。良くも悪くもわかりやすく、通り過ぎていく映画で、日本人のメンタリティを単純化して見せてくれたその味わいに変わりはなかった。

実写版「蟲師」「蟲師」は初見であり、数々のブログでもとっくに語りつくされていて、概ね「理解しづらい」「雰囲気は悪くない」「監督の自己満足」と少々厳しい目だが、今回見たところの感想を述べるなら・・・映像の出来は確かに悪くない。VFXをかなり使っている割には昨今のケバい(キャシャーンとかゴエモンとか、はたまた「嫌われ松子の生涯」あたりのゲップが出るくらい重く暑苦しい映像)仕上がりにならず、大友監督なりの「蟲師」の世界観の表現は成功しているようだ。残念なのは、やはり脚本だろう。時代設定をわざとぼやかしてる原作に比べ、「電気」の存在を会話の中に入れ、実際の時代考証の枠に入れ込もうとしたり、ギンコの恋愛観を会話に混ぜたり、そりゃ「野暮」ってもんでしょ(^^;)と突っ込みを入れたくなるような表現があったのはやはりイマイチだ。

また、1話完結のオムニバス作品群である原作をつなぎ合わせて整合性のある展開にもっていこうとするのは理解できるが、「狂言回し」・「語り部」としての役割を持つギンコの使い方を誤り、「蟲師:ギンコ」の誕生秘話からつながる話の顛末でくくるのは少々無理がある。原作でギンコの現在に至るエピソードは数少ないが、それをある程度忠実に追っていくことで、因果な宿命と能力を背負った人間の葛藤や心情の変化・成長をつむぐことも出来たはずだし、もっとギンコから引いた視線で「未知なる<蟲>とそれにまつわる人々の群像劇」でまとめた方がまだ入りやすかったのではないか?

この映画は、人間ギンコの掘り下げも中途半端、群像劇としても中途半端。脚本の練り上げが足りないと言う印象だ。その結果「余韻を持たせる意図があっての(?)あのラストシーン」までが中途半端。蟲師ギンコの終わり無き旅(希望的な含みのある未来)を見せたいなら、山の中の道をどんどん入っていく後姿(遠近法の1本道で退場していく主人公)のようなラストの方が印象的だし、その直前のシーンで別れた虹郎の叫びも投影できる。
もしくは右から左へ通り過ぎていくギンコをどんどんズームダウンし遠景の中に埋没させることで、「通り過ぎていく傍観者」としてのギンコの役割を際立たせても良かった。アニメが本業の大友監督の映像センスが意外と悪くなかっただけにこれらのマイナス部分はとても惜しい。少なくとも「一度見れば十分な映画」にしかなっていないのは残念だ。

スカイ・クロラさて、いい意味での「難解さ」で定評の(^^;)押井監督の「スカイ・クロラ」は、私にはとてもわかりやすかった。

生きる意味を求め、キルドレたちが空であがく――「スカイ・クロラ」

「攻殻機動隊」や「イノセンス」での小説からの引用フレーズの多さや、やたら聞き取りづらい音響エフェクトで余計に把握しづらくなっている翻訳調で哲学的な「長い台詞」がなかった分とても楽だった(爆)
まぁ、これは原作の森博嗣のおかげかもしれない(^^;)
「スカイ・クロラ」で一番印象的なのは、やはり「空」「飛行中の浮遊感」の表現に尽きる。キルドレと呼ばれる「不老不死の子供の姿の戦士たち」などはいかにも日本の戦闘系アニメの王道を行くような設定だし(^^;)活躍の場が宇宙でなく「空」であったことも象徴的だ。

大人になっても「子供のころ夏休みの青空」は忘れない。無限に広がる時間と空間、限りない憧れの象徴こそが空なのだ。これが宇宙になってしまうと孤立感・孤独感〜隔絶された環境が意識されすぎて生身の実感に乏しくなる。それを証明するように登場する戦闘機もプロペラ機。ファッションも第二次世界大戦頃のテイストにまとめられ、何故か懐かしさのあるとてもハートフルなパーツしか存在していない。100%の絵空事にしない、皮膚感覚に近い情緒感を残しつつ感情移入を易しくする仕掛けが施されている。音楽も感傷的で癒し系のやわらかい音楽だ。いや、悲しさ・哀れさまで漂っているし、どこか諦めきった「厭世感」にも通じるように思えてくる。

世界観の構築手法の意味では先述の「蟲師」も同じ手法だ。肌になじみやすい純日本的な世界観の中で虚構を作り上げている。アニメ版「蟲師」は音楽も秀逸。アニメ版の作品全体にアンニュイな雰囲気が漂う点も「スカイ・クロラ」と共通点がある。

私のように余命の方が確実に少なくなったオヤジには、若者の無限に広がる「空」はもはやいくら望んでも手に入らない最高の宝だ。しかし、あれほどの青い空を持つ子供たちは「その無限さの中に閉塞感と限界を感じている」と言う皮肉。死ぬ以外に逃れられない境遇のキルドレの葛藤は、生きるための戦いを繰り返し、戦うことに違和感を感じなくなっていく大人の忘れた感覚でもある。

そういう意味で彼らの苦痛や葛藤は「大人」とて共有しているものだし、違うのは「終わりのある時間」の有無であり、そこに向かっていく自分自身のアイデンティティ(自己同一性)が形成されるまでの期限付きの痛みである。まさにキルドレの悲しみは「終わりの来ない<永遠のモラトリアム>たる葛藤」であり、それこそ今の我々や若者に共通で抱く<先が見えない閉塞感>という深く刻まれた傷なのだ。

「スカイ・クロラ(Sky Crawler)」とは「空を這うもの」の意味だ。戦いの空に生きるキルドレ(永遠の子供)そのものであり、その憧れの時空で格闘する若者たちの総称でもある。

明日死ぬかもしれないのに大人になる必要があるの?

主人公が何気に問う台詞がある。この映画(というかドラマ)の根幹を言い表してる台詞でもあるが、私がもし主人公に返す言葉があるとしたら、

必要であるかどうかは君次第。そもそも外見的な「大人」に意味はないだろう?
生きてきた密度とそれで得られる成熟度を人間としての君自身が自覚し、望むかどうかだけだ。


と返すだろう。面白くもなんともない回答だが、「スカイ・クロラ」が表現している「荒涼感」に対抗するには、現実を直視する強さと、常に変化を求める「澱(よど)まない心」しかないのだ。それでも、空に憧れても高所恐怖症の私が実際に空を遊ぶことはまずない(^^;)

永遠の時空を持たないオッサンはひたすら「グラウンド・クロラ(Ground Crawler)」=「地を這うもの」として生きるだけなのだから(^^;)



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快感【かいかん】

以前紹介したものと似た、一見意味は無いものの、妙に癖になるwebプログラムと言うかゲーム感覚のページ。webアート作家Rafaël Rozendaal氏のサイト。10個ほどの実験的作品はそれぞれにゲームっぽいアクションや視覚効果が隠されているが、特に何かを訴えるわけでもなく、必然性も感じない。しかし何故か心のどこかに引っかかってくる魅力がある。なんとも不思議な感覚だ。私が特に引っかかったのは下の二つ(^^;)

クリックで画面を極彩色に分割していくだけのwebアート(プログラム)

分割

マウスをコーナーや画面の端っこに近づけると吸い込まれるように端からめくれ上がり、ページがめくれるwebアート(プログラム)

ページめくり


あまりに単調、しかし癖になる。何かしら快感を伴うのが不思議でたまらない。人間の本能に関係しているのか心理学の分野か、ともかく奇妙な味わいだ。

しかしこういう変わった実験を繰り返すことでwebは表現の可能性を広げてきたことも確か。webでオンラインゲームを遊べるのも高速なインフラの定着とともにFlashの進化を伴ったからこその環境だ。そしてこういう実験的な試み。人間は何に「面白さ」「快感」を感じるのか、根源的な解析を行ってるような感じもする。

そういう意味では、このような作品・アイデアに触れることはwebの最先端に触れているのと同じだし、自分もその実験に参加しているような錯覚を味わえる点でユニークと思えるのだ。

ただまぁ、個人的な感想と言うか欲を言えば、もうひとつパンチが欲しいというか、画面を破壊するような「オチ」「結末」がわかりやすい方がありがたいのだが・・・(^^;)<壊したいだけかよ(爆)



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scape【すけーぷ】

scape:goo辞書を見ると一見関連性の少ない言葉の意味が並ぶ。「風景」はlandscape<景観・造園の意>がすぐに思い浮かぶし、インターネットのブラウザもFirefoxの先祖Netscape Navigatorなどはそのままホームページの「景観」を案内するものとして優れたネーミングであった。

以前からネットブラウザによるホームページの見栄えの変化に関して、仕事にも若干関係があるため数々のブラウザを試してきた。最近のお気に入りはGoogle Chromeだが、OperaはもちろんSafariなどブラウザエンジン別に1種類ずつインストールしてある。かつては国産のブラウザでブラウズエンジンを切り替えられるLunascape:wikipediaも入れていたが、Yahoo最適化バージョンのくせにYahooメールで一括削除ができないバグなどがあり(爆)信頼性を疑ってはずしていた(^^;)

どうやら最近アップデートされ新バージョンが出ていたらしく、以前にもまして「大サービスなブラウザ」に拍車がかかってるようなので入れてみた。Firefoxのアドオンに一部対応し、スキンも流用可だと?ハッキリ言ってそれ「パクリなんじゃ・・・?」(爆)まぁ、オリジナルスキンもかなり豊富で完成度も上がったようだ。新バージョンではYahooメール一括削除時のバグも修正され、かなり上質なものに仕上がっている。ただ、それぞれのエンジンごとにYahooIDを持てるために、IDごとにブラウザを立ち上げて全IDで同時アクセス可能という荒っぽいことも試したりしている(^^;)

おそらくヤフオクでサクラIDで入札価格を吊り上げてる連中はこういう手口で同時アクセスしてるに違いない。ID切り替えツールもあるが同時アクセスして自作自演の高騰オークションを演じることも可能だ。もちろん自分以外のカモがいることが前提だが(^^;)・・・私はその気配を察したとたん入札競争から降りることにしている。何が何でも欲しい物や絶対的な信頼性を求める場合はヤフオクでは買わないからだ。

話が脱線した(^^;)とにかく、百花繚乱状態でそれぞれに特徴のあるブラウザがある以上、ブラウザエンジンを切り替える意味がいまいちわからない。それがLunascapeの特徴だと言われればそうかもしれないが、無駄に高性能すぎる日本の家電品のように過剰な便利さが使いにくさや速度の低下につながらなければいいのだが・・・。

興味のある方は→Lunascape:ダウンロードからどうぞ。

さて、今日最も象徴的だったもうひとつのscapeはescapeだ。

scape
↑Lunascapeで見た朝青龍(マネージャー)ブログ

<朝青龍関>引退…暴行問題で引責「自分にとっての運命」

横綱としての行動に批判が集まり、引退力士の土俵入りで野次られるほど相撲ファンの顰蹙を買った朝青龍だが、引退に関してはネット世論は「引退は当然」「引退より解雇が妥当」とか思いのほか厳しい。それだけ「悪役であろうと品格のある横綱像」を求める相撲ファンのニーズからはかけ離れてしまったのが朝青龍にとっての致命傷だったとも思える。

また、ふがいない大相撲協会や高砂親方の無能ぶりに朝青龍が犠牲になったようにも思える。白鵬が相撲ファンの望むべく横綱像を叶えているだけに余計に批判が集中してしまったのも気の毒だが、元々は本人の気質・品格の問題とするなら多かれ少なかれこうなる事は自明の理であった。

まぁかつては「北尾(双羽黒)」という将来を期待されながらついに横綱として一度も優勝がないまま破門され引退してしまったダメ横綱よりははるかにマシだ(^^;)最後優勝したのに批判の嵐に叩き込まれ、お気の毒ではあったがお疲れ様と言っておこう。いろいろ問題はあったにせよ、あの強さ、相撲の勝ちっぷりのよさは見事だったから。

そして最後にScapeの言葉の用例にもあるように、相撲協会の腐敗の清算としてscape・goat<スケープ・ゴート:いけにえ・犠牲>にされたことは否めない。
しかしよくできた言葉だよScapeは。最後の用法が「scape・grace: やくざ者」とは・・・。
素行不良の横綱らしい形容ではないか(^^;)

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搦め手【からめて】

搦め手「搦め手」とは弱点のことである。今最大の政治スキャンダルとして注目を集めている民主党小沢幹事長の政治資金疑惑だが、今夜時点で「不起訴」の報道が走った。私はこの一連の報道がどうも気に食わない。これまでも検察の動きはほぼ前日までにマスコミ各社に漏れていた。どう見ても検察側からのリークであるはずだが、なぜこれほどリークを続ける理由があるのか。まるで世論の反応を見ながら「検察が事の落としどころを探っている様な感じを受ける。

およそ検察が「世論の反応」を気にするのは、「世論の期待」に反する結論を出した可能性が高いとも思えるし、これはすなわち小沢陣営に検察が屈したととれる。しかしホントにそうなのだろうか?

私の見方としては、小沢一郎を軽微な罪で捕縛する証拠固めは終わっている。しかしそれを実行して実質的小沢政権を瓦解させても、政治的な混乱や経済への影響を考えると国益に有するものは少ない。取引条件としての警察または検察官僚の人事権(保身)と引き換えに不起訴の線を打ち出し、直接関与した秘書レベルの起訴にとどめおくことで「手打ち」という結論に至ったのではないか?
つまり、小沢は「名を取り」、検察は「実を取った」辺りのことではあるまいか?だからこそここ数日、複数回の聴取の後、自信に満ちた表情で会見したのではないか。あるいは聴取と同時に実質的な取引交渉が行われたのではないか?と感じているのだ。政党対官僚の戦いとしては政党側の勝利に見せておいて実質的には官僚側が実権を手中に納めた格好だ。ただ、これはせいぜい検察・警察権力の範囲内で他の官僚機構は除外されているだろうから表向き民主党の政党・政治主導の行政の名目は保たれる。

もし、上記のシナリオであるならば、予算議決後行政改革の一環として予想される「省庁の人事異動」に関して、法務省〜検察・警察内で粛清人事はおきてもごく限られた範囲に収まるだろうし、誰の目にも明らかな「粛清的人事」があれば小沢陣営の圧勝に終わったと見るべきだろう。

どちらにしても、今回の決着は私には非常につまらないものだ(^^;)

もっと華々しく、わかりやすくバトルしてほしかったなぁ。水面下で不透明に決着つけられるのは今までのパターンと何も変わらないからねぇ・・・。とはいえ、実際にどっちが追い詰められたのか、勝者だったのかは「不起訴」では判断しがたい。案外部外者にとってのまさに「搦め手」を取られたのかもしれない。

刑事警察の判断が注目を集める事件が後を絶たないこの国で、誰にとっても「弱点」はそこらにごろごろ転がってるのかもしれないが、やはりこの件の白黒はもっとハッキリした形で見たかった気もするのである。

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目次&ランダムピックアップ

現代用語のクソ知識の目次

当ブログの目次(管理人のオススメ一覧)です。かなり古い時事問題に関する記事もありますが、当時を思い出してご覧いただけると幸いです。
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埋没映画館[目次]

エントリシリーズの内、映画評論に特化したシリーズです。メジャー作品は通常エントリで扱っていますので、できるだけマイナーな作品を取り扱う事を目指しています(^^;)
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特亜国家考察[目次]

歴史研究シリーズです。日本と反日国(北朝鮮・韓国・中国)の歴史的事実とその時代の価値観、国家観を考えます。(恐ろしく長文なので注意)
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↑上のボタンを押すと、ランダムにエントリを表示します。
もしもエラーページが出たら、ごめんなさいm(_ _)m「戻る」ボタンでエントリを表示するまでお試しください。

言い訳ページはこちら(^^;)
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通常エントリの目次

2017年5月分よりtwitterまとめエントリを自動投稿するように設定しており、通常エントリが遡りにくくなっているため、この間の通常エントリだけの目次を下記においておきます。
※2019年8月1日〜11月25日の間はtwitterの仕様変更で自動まとめ投稿が停止していたためこの間のまとめはありません。

2022年1〜5月の通常エントリ
2021年1〜12月の通常エントリ
2020年1〜12月の通常エントリ
2019年1〜12月の通常エントリ
2018年1〜12月の通常エントリ
2017年5〜12月の通常エントリ


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